12経脈とは?
経絡は12本あり、それぞれが違った働きを持っています。
経絡はいわゆるツボの流れでツボとツボを結ぶ線と考えていただいていいと思います。
それぞれの経絡は内臓の状態を表すことが多く、たとえば肺に負担がかかっている場合、肺の経絡に反応が出るといったものです。
経絡の流れと作用を理解することで日常生活での応急処置として応用することができます。
セルフでお灸を行うときや、手足をストレッチする際に役立つかと思います。
①手の太陰肺経
手の太陰肺経の効果
肺経は主に呼吸を司るものになります。
キレイな酸素を身体に取り込み、いらなくなった二酸化炭素を体外に排出することが役割です。
これによって身体の中には常にキレイな空気が流れることになりますが、肺の機能が下がることで咳・息切れ・鼻水などの呼吸器に支障を与えます。
肺経は身体の気を司るところにもなりますので、落ち込みやすいことや考えこむことも起こりやすくなります。
逆に、思い悩むことが続くことで、肺にダメージを与え呼吸器に支障をきたす逆のパターンもあります。
考えすぎには注意が必要ですね。
②手の陽明大腸経
手の陽明大腸経の効果
大腸経は飲食物の残りを受け取り、その残骸から便を形成するところになります。
飲食物からの水分(津液)を吸収することで体内の水分量を調節する働きも持っています。
水分の調節が上手くいかないことで口の渇きや鼻づまりなどを引き起こします。
大腸経には「合谷」という有名なツボがあり、様々な症状で用いられることが多くなっています。
「曲池」は身体の熱を抑え、「手三里」は肩や首のコリをほぐしてくれる効果があり、鍼灸の治療の際にも良く使われる経絡になります。
③足の陽明胃経
足の陽明胃経の効果
胃は皆さんご存知の通り飲食物を消化するところになります。
東洋医学の胃経も同じような働きで、飲食物を受け入れ消化し小腸におろす働きを持っています。
胃経に症状が出ることで消化の働きが低下するのはもちろん、人間の活動源である飲食物を消化できないことで他の臓腑にも影響を与え体全体が悪影響を受けてしまいます。
また、経絡の流れが顔にも走っているため、鼻や目の症状を引き起こします。
ストレスをため込んでいる人は胃経の治療をすることでリラックス効果が期待できます。
④足の太陰脾経
足の太陰脾経の効果
脾経は飲食物を栄養に変化させる働きを持っているため、機能が低下することで食欲不振や下痢を引き起こします。
また、身体全体に栄養を届ける働きも担っているため、「気」「血」「津液」といった大切な要素を調節しています。
日本人はこの脾が弱いとされていますので、昔からお腹の調子を崩しやすい人種です。
治療をする際には脾経をアプローチすることで症状の改善が起こりやすかったりします。
また、血液を脈中に保持する働きを持っているため、出血しやすいことや血尿などは脾経の症状になります。
女性にとってはこの脾経はとても重要な経絡になりますので、生理痛や不妊治療などでも多く用いられるものになります。
⑤手の少陰心経
手の少陰心経の効果
心経は生命活動と精神活動を維持するためにあるとされています。
機能が低下することによって疲れやすい、やる気が起きない、物忘れが激しい、夜眠れないなどの精神的な要素で異常が出ることが多くなっています。
強いストレスを感じることで精神的な身体の影響を受けるのには心経が関わっていると考えていいでしょう。
また、心経は西洋医学で考えられる心臓と同じ働きを持っているため、血液を身体全体に循環させる力を持っています。
機能が低下することで不整脈や動機などの症状を引き起こし、血が不足すると意識障害や精神障害の原因にもなります。
心臓と一緒で全身に栄養を送っているため、身体全体の症状が出ることが特徴的です。
⑥手の太陽小腸経
手の太陽小腸経の効果
小腸経は胃で消化された飲食物を受け取り、栄養分といらないものに分けてそれぞれの器官に送る働きを持っています。
消化吸収の力が低下することで全身のバランスも崩れ貧血や食欲不振を起こします。
また、腸の活動が低下すると腰や足に症状をきたし、腰痛や下肢の疲れやすさに繋がります。
小腸経は耳に経絡が走っているため、難聴や耳鳴りの原因にもなります。
肩周りのツボは五十肩や肩こりにも多く使われるツボになります。
⑦足の太陽膀胱経
足の太陽膀胱経の効果
膀胱経は肺、脾、腎、三焦の働きによって全身をめぐった水分を腎気によって体外に排出する働きを持っています。
言わば、貯尿と排尿を司るものとなっており、これらの機能が落ちることで膀胱の障害や排尿の際の症状が出やすくなります。
また、背部兪穴といって五臓六腑の反応点がツボとして存在するためとて治療の際に使われる経絡と言えます。
背中や腰の症状に対応するほか、足の後面に経穴が走っているためしびれや足の引きつりにも効果的です。
小指の先にある至陰というツボは逆子に効果があるツボとして有名です。
⑧足の少陰腎経
足の少陰腎経の効果
腎経は精をため込んで機能させるところですので、生殖機能の調節や生命活動の維持を司っています。
これらが低下することで発育不良や脱毛や難聴などが起こり、自己免疫力が落ちてしまいます。
腎は人間にとってとても大切な機能です。
また、水分代謝や呼吸を司っているため、下痢、夜間尿、喘息、呼吸困難などは腎機能低下によって起こります。
生殖系に関係するので不妊鍼灸でも使われることが多い経絡になります。
歳を取るごとに腎の機能は低下するため、生命活動の維持が難しくなってしまいます。
⑨手の厥陰心包経
手の厥陰心包経の効果
心包経は心を包んでいる袋で、内外の邪気から身体を守る性質があります。
脳や心臓や精神の動きを心経と共に守っていると考えてください。
心包経のツボを刺激することで、狭心症などの心臓疾患に効果があると言われています。
精神を落ち着かせる時にも手首周辺のツボを押すことで効果が期待できます。
このように大切な心臓のサポートをして肉体的にも精神的にも統括しているのが心包経になります。
⑩手の少陽三焦経
手の少陽三焦の効果
三焦経は特定の器官を指すのではなく、気血津液を全身に巡らせることで体内のバランスを整えているものです。
栄養は吸収し、いらないものは尿や便に変えて体外に排出させるという重要な役割を担っています。
三焦経は上焦・中焦・下焦に分けられ、それぞれ役割が違っていきます。
上焦は横隔膜から上を指し、心や肺と関係が深く呼吸や体温調節を行う機能があります。
中焦は横隔膜からへその部分までを指し、脾と胃に関係が深いため飲食物の消化や吸収に関与しています。
下焦はへそから下の部分を指し、腎・小腸・大腸・膀胱に関係が深く、主に排尿や排便に関与しています。
三焦経を調節することで水分代謝や体温調節などに効果が期待できます。
⑪足の少陽胆経
足の少陽胆経の効果
胆経の効果として1つ目は優れた決断をするところとされています。
「胆を冷やす」「胆に銘じる」などの言葉があるように肝や胆は人の意思決定に関係してきます。
2つ目は胆汁を溜めたり排出する役割です。
肝で作られた胆汁を排出することによって消化吸収を助ける働きがあります。
側頭部に経絡が流れるため、片頭痛の治療の際にも用いられる経絡になります。
⑫足の厥陰肝経
足の厥陰肝経の効果
肝経は身体全体の血液や気を巡らせる働きを持っています。
これらが滞ることでイライラしやすかったり月経の状態が悪くなったりします。
また、消化吸収の補助もしているため、お腹が張ったり胃痛を引き起こすこともあります。
もう一つの作用として血の貯蔵があり、新鮮な血液を身体の中に留めておく働きがあります。
血が不足すると月経に異常をきたしたり、身体が冷えやすかったりします。
肝は身体の調節を行っているところなので重要な経絡と言えるでしょう。
羅針堂鍼灸整体院
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