生理痛でお悩みのあなたへ
①生理痛の方が増えた社会的背景。
元々、女性は家事や子育てをし家を守るという役割がありましたが、近年女性の社会進出に伴い身体にかかる負担が大きくなりました。
女性は男性と比べてデリケートに作られており、長時間の労働には向いていないのです。
会社に務めていると人間関係のストレス、労働によるストレス、睡眠不足や運動不足に陥りやすくなります。
次に食生活です。貿易が盛んになってから本来日本人には向かない食材が日本に入ってきて
身体を必要以上に冷やしてしまったり、甘いものやお菓子の過剰摂取をしている女性も増えています。
中には食事の代わりにお菓子を食べたり、ダイエットで食事制限なども生理痛を引き起こす原因となります。
生理痛を引き起こす原因は大きく分けて「ホルモンバランスの乱れ」「冷え」が関係してきますが
それらの背景にはこのような生活習慣の乱れが原因のことがほとんどです。
あなたはこれだけ辛い症状をお持ちでも今の生活習慣を続け、薬に頼った生活をしていきますか?
②生理痛が続くとどんなリスクがあるの?
生理痛があるということは身体のどこかでホルモンバランスや血流が滞っている状態となります。
その状態が続くことは病気のリスクを高めますし、薬で抑えていても症状が進行している可能性もあります。
まず一番多いのが月経前症候群や子宮内膜症やチョコレート嚢胞です。
年々、生理痛が重くなっていたり仕事を休むレベルの方は1度検査をすることをお勧めします。
あとは、不妊症のリスクも上がりますし、逆子やつわりが酷くなったりもします。
高齢期になると更年期障害や閉経後の骨粗鬆症のリスクも上がります。
生理痛は毎月辛いということの他にこのような病気や出産に関わってくるため
もし、毎月薬に頼らないといけないくらいの生理痛でお困りなのであれば
将来のご自身や赤ちゃんを授かりやすい身体作りを一緒にしていきませんか?
③あなたの生理痛はどのタイプ?
生理痛を引き起こす原因が色々あるように、いくつかの体質に分類されます。
生理痛の改善にはそれらの体質を分析していく必要があります。
①瘀血(おけつ)タイプ
瘀血とは血がよどんで流れが悪くなっている状態ことを言いますが、いわゆる汚い血のことです。
瘀血が溜まった場所は様々な症状として出てきやすくなります。
瘀血症状としては
・刺すような痛みが固定されて出ている(生理前の下腹部痛など)
・肌が荒れたり吹き出物が出たりする
・月経不順の原因になる(血が滞っているためスムーズに身体の外へ出せない)
・便秘
・肩こりなど
※生理前~生理中に症状が出ることが多い
主な原因としてはストレスによる自律神経の乱れや、食事で脂などの過剰摂取などが挙げられ
過労や睡眠不足、水分摂取が少なかったりしても瘀血が身体に溜まりやすくなります。
身体が熱っぽい方は瘀血タイプの傾向があります。
①血虚(けっきょ)タイプ
血虚とは血が不足している状態のことを言います。
または、血は十分あったとしても質が悪かったりすると血虚の分類に入ってきます。
血虚症状としては
・寒がり
・めまいや立ちくらみ
・肌が乾燥したり、かさかさになる
・感情の浮き沈みが激しくなる
・脂っこい物が食べたくなる(一時的に過食症になることも)
・頭痛など
※生理中~生理後に症状が出ることが多い
主な原因としては食事の摂取不足や食事をしていても脾胃が弱かったりすると
食べ物からの吸収率が下がります。
血は身体を温める作用があるので血が不足すると冷える傾向になります。
生理痛の原因は血が滞っているのか不足しているのかで判断し
血が滞っているのであれば身体が熱っぽくなり、血が不足していれば冷えとなり
それぞれ痛みとして症状が出てきます。
月経前症候群(PMS)なのですが・・・
月経前症候群(PMS)も生理と大きく関係しており、早い人では生理15日前から月経前症候群(PMS)の症状に悩まされます。
月経前症候群(PMS)の症状として生理前に身体的、精神的に様々な不定愁訴が重なり合って出てくることが特徴です。
生理前に出る症状が月経前症候群(PMS)で生理が始まってから症状が出るのが生理痛(月経困難症)となります。
月経前症候群(PMS)の原因は排卵後の女性ホルモンの急激な変化が関係していると言われておりますが、未だにはっきりとした原因は不明となっております。
では、原因も分からないのに果たしてどのように症状を改善していくのでしょうか?
それは・・・東洋医学を用いて1つ1つ出ている症状ごとに解決していきます。
例えば、下腹部痛、胸の張り、イライラ、便秘、下半身のむくみ、目の奥の痛み、耳鳴り・・・etc
これらの症状が生理前になると出てくる方がいて、西洋医学的にはまだはっきり解明されていない状況で解決させていくためには
今出ている症状を素に体質を分析していき、下腹部痛にはこのように対処、胸の張りにはこれ・・・
というようにそれぞれの症状に対して治療を行うことで徐々に身体が整っていきます。
なるほど!でも、月経前症候群(PMS)は不定愁訴で症状が沢山あるので、鍼の本数もどんどん増えていきますよね?
という声が聞こえてきそうなので補足をしていきますね。
確かに、1つ1つにそれぞれ鍼を刺していくと本数がどんどん増えていきますが
先程の生理痛の時のように瘀血(おけつ)タイプや血虚(けっきょ)タイプのように、それぞれの症状がどこに分類していくのか考えていけば良いのです。
例えば、下腹部痛、胸の張り、便秘、目の奥の痛みは瘀血(おけつ)タイプになってきますので瘀血に効くツボを使えばそれらの改善を促せます。
極力、出ている症状をグループ事に分けてそれぞれ治療を行い、どこにも当て嵌まらないものはピンポイントで治療を行っていきます。
月経前症候群(PMS)は東洋医学的に診ていくと五臓六腑の中の「肝」や「腎」の影響が大きいとされています。
肝は精神的な部分や情緒の調節を担っていると共に、血の流れの調節を行っております。
そのため、仕事などで精神的にストレスがかかることで肝の機能が悪くなり、イライラしやすくなったり血の流れが悪くなったりします。
腎は泌尿器と関係があるのとは別に生殖器と関係が深く、ホルモンの分泌や他の臓腑のサポートも担っております。
腎の力が弱くなるとホルモンの分泌が悪くなるだけでなく、肝のサポートが出来ずに肝の機能も弱くなります。
腎は歳を重ねるごとに弱くなりますし、血がしっかり全身(特に生殖器周囲)を巡っていなくてもなります。
その他には大きな怪我や手術をしてもなりますし、食事や生まれつき腎が弱い人(虚弱体質)などが挙げられます。
また、腎の働きが弱くなると排卵をする力も弱くなるため、生理不順や無月経の原因にもなります。
当院にも生理不順や無月経で悩む方が何人も来院しており、42日周期→28日周期になったり
最後の生理が26歳でそれからずっと生理がなく、35歳から治療を始めて9年振りに生理が来た人もいます。
腎を整えることで月経前症候群(PMS)を抑えるだけでなく生理不順や無月経に対しても効果的です。